超訳 鏡花「歌行燈」
- 日程:2012年5月11日
- 会場:浅草リトルシアター photo/金井恵蓮
- 学生の時に、新派のお芝居を新橋演舞場で見たのですが、
- その時は真面目に生きる人々の美しいお話だろうと思っただけでしたが、
- これは、狂言と、ギャグの神様、十返舎一九が下敷きです。
- 狂言「どぶかっちり」
- 二人のあんまさんが川を渡ろうとしてて、後輩が先輩を背負って渡ろうとすると、ずるい人が、
- 二人が目の見えないのをいいことに、
- ひょいっと背中に乗っちゃって、
- 二人が大喧嘩になる話~
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十返舎一九「東海道中膝栗毛」 膝栗毛とは、いろっぽい言葉らしいですが、 この話の中に、 「どぶかっちり」のパロディがでてきます。 二人の座頭がじゃんけんで負けた方が相手を背負って川を渡ろう、としてたところ、 弥次さんが負けた方の背中におぶさっちゃう。 座頭たちが「早く川を渡さぬか」 「いま、渡してやったのに」と、もめながら もっぺん背を出すと 今度は喜多さんがおぶさっちゃう。 しまいにばれて二人とも水浸し。 |
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主人公恩地喜多八は、 角付け芸人です。 (ミュージシャンの名前が オンチってとこが ふざけてますね) 元は江戸一番の能楽宗家の 跡取りでしたが、 旅の仕事の途中、古市の町で 偽物の宗家「宗山」と名乗るあんま に腹を立て、 若気の至りでやっつけたら、 あんまがショックのために 鼓ケ嶽で首つり自殺。 この事件で能楽界から追放、 角付け芸人となります。 |
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あんまの娘がヒロインお袖、 喜多八は彼女をあんまの妾と思い、 「絶対人のオモチャになるな」と言う。 これが呪文となって、 父親自殺後、転落した彼女は 廓と芸者屋を転々とするが、 人のオモチャになる芸が一切できない ダメ芸者になっちゃって まわり中からいじめられる人生です。 二人は偶然再会し、 喜多八は罪滅ぼしのために 娘に自分の芸を教えます。 それが謡曲「海女」です。 |
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「大悲の利剣を額にあて、 竜宮に飛びいれば」 作者 世阿弥 ラスト喜多八 「せなをかせ、宗山」 (三途の川を渡してくれ、ってことです) 主人公はたぶん死んじゃうんですが 元ネタありきのオチとして なんともシャレてて美しいと思います。 |