超訳近松 「国性爺合戦」
- 日程:2014年7月18日 photo/金井恵蓮
- 会場:浅草リトルシアター
- こくせんやかっせん、と読みます。
- 字を見て、おじいさんの話かな?と思うのですが、
- 「ヘンリー五世」「コリオレーナス」を彷彿とする、
- 祖国と家族のために戦う将軍の軍略づくしの英雄談です。
- かと思うと「宙船」みたいな場面がでてくる
- ファンタジーでもあります。
主人公は和籐内(国性爺)、
父は元・大明(中国)臣下、
母は日本人、和人でも唐人でもないから
わとうない、というダジャレです。
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近松に登場する女性は、 優しくってすてきな奥さん(または遊女) ばっかり、と思っていたら、 この話のお母さんは滅法つよく勇敢です。 皇帝の世継を守る乳母さえ女スパイ並みです。 のちに国性爺と連合軍となる 将軍甘輝の妻も、国と家族のために 命を投げ出すサムライです。 |
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戦争が起こるきっかけからお話がはじまります。 大明と韃靼は、昔から戦争ばっかりの敵同士。 韃靼は裕福ですが美人がいなくて困っています。 「大明の妃、くれたら平和条約結びましょう」 だけど、お妃は世継の王子を懐妊中。 政治が苦手な帝は「やだな」と思うのですが 韃靼王と手を組む 李蹈天という悪役が政治を動かそうと、 帝をだまして世継を殺す陰謀はかり 戦争がはじまり、元臣下の息子、国性爺が登場します。 |
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シギとハマグリの戦い 浜に1000羽のシギと1000個のハマグリがいた。 シギがクチバシでつつこうとしたら カラが閉じてクチバシをとられた。 和籐内 「鴫は空へ羽ばたいて蛤を離そうとする。 蛤は口を閉じて 鴫を海へ引きずり込もうとする。 蛤は殻が固いから油断して 鴫の来たのを知らない。 鴫は嘴が鋭いので自信もってて 蛤が口を閉じることを考えない。 こっちは手もぬらさずどっちも捕まえられる」 |
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近松門左衛門の名調子は「~づくし」ですが、 このお話は戦略づくしです。 呉三桂 「戦略は簡単で効果大が一番じゃ。 この竹筒に蜜を入れ、 蜂をいっぱいいれておいた。 数千本作って最前線の兵士に持たせ、 敵と出会ったら捨てて逃げる。 韃靼兵は食べ物と思って蓋をあけると 数万の蜂が飛び出す」 |
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鬼をあざむく国性爺 竜虎と勇む五常軍 大司馬将軍呉三桂 知恵と神器のますらおよ 満ちては欠ける影あれば 欠けても満つる月を見よ しばしが程の雲隠れ ついには晴れて天照らす by近松門左衛門 |