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公演ギャラリー


超訳鏡花「琵琶伝・海城発電」

  • 日程:2013年4月12日
  • 会場:浅草リトルシアター  photo/金井恵蓮
  • 「琵琶伝」
  • 世にも美しい変態文学。
  • 親が決めた結婚で、大嫌いな夫と婚礼の夜、反旗をひるがえした妻は
  • 「絶対、不倫します!」と宣言し、夫婦の戦争がはじまります。
  • 妻は琵琶という鳥と天に昇れたのだろうか。
  • 明治時代の批評はボロクソ。
  • 「海城発電」
  • 日清戦争。赤十字の看護員が中国軍の捕虜になって、
  • ある日突然、敵から感謝状もらって普通に帰ってきた。
  • なんで?と、みんなで尋問する密室劇。
  • 変態的なオチ以外はほぼ、コントの作りです。
  • 理路整然とした看護員が記号みたいでおもしろいです。

どっちもゆがんだロミ&ジュリみたいなんですが
どっちも日清戦争が背景です。

「琵琶伝」
「俺の言うことは従うだろうな」
「従わせなければなりません」
「妻たる節操は守ろうな」
「いえ、出来さえすれば破ります」
「うむ、きっと節操を守らせるぞ」
 オープニングからすでに変態風です。
妻には愛人がいて夫の部下です。
夫が妻を監禁してるので恩人の叔母から
「かわいそうだから会いに行ってやって」
と頼まれ愛人は脱営して麻畑の中にたてこもります。
妻の見張り番の爺が見るに見かねて
「かわいそうだから俺を殺して会いに行け」
と言い出し
愛人は爺を殺してそれでも会えず、
変態合戦のような話が展開し、愛人は死に
琵琶という鳥がなきながら空を飛んでいく。
「海城発電」
「敵の捕虜になって敵の看護して、なんで
 敵状を視察してこないんだ、
 こいつ非国民だ!」と
アツくなった軍夫の群れとともに
アツくなって愛国心を解く軍夫の隊長と

敵国の捕虜になって敵の看護をして
敵に感謝されて帰ってきた看護員のやりとりです。
看護員
「戦闘員とは違います。
自分を責めるんなら、赤十字の看護員として
 おはなし願いたいです。
敵の内状を探るのはスパイです。
 自分の職務上、病傷兵を救護するには
敵だの味方だの日本だの清だのないです。
 敵陣にいましたとき依頼を受けましたから
敵の病兵を預かりました。
 手を尽くして好結果を得ませんと
赤十字の名折れになる」
「しかし我が軍と違って
実にかわいそうだと思います。
 気の毒なくらい万事が不十分。
 ややともすれば見殺しです。
それではすまないから大変な苦労をして
 赤十字の看護員という
体面は保つことができました。
 感謝状はその印で
これを国への土産にすると
全国の社員はみな満足に思うです。
 自分の職務をつとめるものが
何の余裕があって敵状を探るマネできます。
 自分は赤十字の看護員です」
看護員を囲む軍夫
「国賊!逆徒!売国奴!殺せ!殺せ!」
と、コントのような展開が続き
 ラスト近く、突然、変態的な事件が起こり
  看護員が変態的に去り、
 変態的なラスボスが
最後にあらわれる。

全部、記号でできている
 みたいな、
  算数と国語の教科書
   まざったの読んでしまった
  みたいな感じのお話です。


 明治29年(1896)泉鏡花


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